わたしのスマホくん
「こわいな!じゅ、充電してたら熱くなって、それなりにたまってきたから涼もうとしたんだよ……そしたら青空が来て……」
「それで、驚いて部屋から出ようとした青空を後ろから抱きしめた……と」
「それは……意図的ではなく、不可抗力ってやつで……!」
ちがうんだ!と言う明華くん。
「ふーん?……涼むにしても、今の僕たちの主でありしかも女の子の部屋で脱ぐのはどうかと思うけど?どう思う?」
「ご、ごもっともです……」
「んじゃ、少し熱さとれたらおりてきなよ。青空は僕がつれていくから」
わたしが持っていたバッグを円華くんは机に置き、部屋を出た。
そして、やっと腕の中から出された、と思いきや両頬を円華くんの手ではさまれた。
「にゃに……!?」
はさまれてるから何、と言えず……。
「……はぁ、明華を見て顔赤らめるなんて……そういう顔は僕にしてればいいの」
分かった?と円華くんは、わたしのほっぺたを伸ばしたりつついたりする。
今の今まで近かったのに、またも近いから意識せずにはいられなく、顔が熱くなっていく。
「そうそう。それでいいの。赤くなっちゃって、僕の主さまはかわいいね」
円華くんは満足げにほほえむと、わたしの両頬から手を離した。
「この後、明華はどうしてくれようかな……」
すぐさまこわい顔に戻ったけど。
……そうだ、思い出した。
黒いスマホでお父さんがよくサスペンスとかホラーもの観てた。
だからそのスマホである円華くんに時折黒さがでる、ってこと?なら性格に理解がいくかも。
「青空、下に行くよ」