わたしのスマホくん
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皆の充電が終わる前に、わたしは少しはやいお風呂をすませ戻ってきた。
「あ!そらホカホカぁ!」
リビングに入って早々に桃李くんのハグ。
「おかえりー。そらあったかーい」
頭を撫でてあげれば、目を閉じる桃李くん。
ずっと撫でてられそう。なんてことを思っていれば、ソファの方から視線を感じた。
──お。
無表情組がじーっとこちらを見ていて、莉雨くんだけでなく、碧くんまでもがソファの上で膝を抱えていて。
視線だけで何が言いたいのかが分かった。
めいっぱい桃李くんを撫で、満足した桃李くんが走り回り始めたからわたしはソファに座る2人のもとへ。
そっと手を伸ばして頭を撫でれば、桃李くんと同じように目を閉じる碧くんと莉雨くん。
「いつもより手、あったかいね」
「お風呂上がりだから……また眠くなってきた」
莉雨くんの頭だけがゆらゆらと揺れ始めた。
それを横目に見た碧くんは、わたしと目を合わせほほえむ。
「……一旦、飲み物飲んできてもいい?」
飲まずに来たから、喉乾いちゃった。
「うん。後からまたここに来てね」
「うん、じゃあ1回飲んでくるね」
キッチンに走り冷蔵庫からお茶を取り出すと、寝そうな莉雨くんにちょっかいをかけている桃李くんが見えた。莉雨くんは全然気づいてないみたい。
「……ん、明華くん。涼んだ?」
今二階からからおりたきた明華くんは、声をかけるとキッチンに入ってきた。
「その、さっきはごめんな?本気で反省してます……」
しゅんとして、頭をさげる明華くん。