先生の愛人になりたい。【完】
あとがき
 ここまでお読みいただき、本当にありがとうございました。
 『先生の愛人になりたい』という、刺激的なタイトルの裏には、
 一途で、どうしようもなく切ない恋が隠れています。

 禁断の関係。
 社会では決して許されない立場。

 それでも人は、“恋をする生き物”であり、
 そこに理屈やルールを超えた「想い」があるのなら、
 たとえ間違いだとしても、美しく、苦しく、そして強いのだと思います。



 この物語の中で、未来は「依存」から「自立」へと成長していきました。
 先生への想いが“恋”から“光”に変わるその瞬間は、
 切なさと希望が共存する、彼女の人生の転機だったはずです。

 愛したからこそ、別れを選んだ先生。
 失ったからこそ、強くなった未来。

 ふたりの決断が「別れ」で終わるのではなく、
 「それでも生きていく」という希望で結ばれていることが、
 この物語のいちばんの救いであり、真実です。



 この作品を書きながら、私自身も何度も心が揺れました。

 「もし自分だったら、逃げられただろうか」
 「もし自分だったら、最後まで信じられただろうか」

 ──恋はいつだって、正しさと狂気の狭間にあります。

 でも、誰かを本気で愛した記憶だけは、
 きっと、どんな形であれ“人生の救い”になる。

 それが、この物語を通して伝えたかった、いちばんのメッセージです。



 願わくば、今、どこかで誰かが、
 たとえ報われなくても、決して恥じることのない恋をしていてくれたら。
 そして、その恋が、誰かの未来を照らすものでありますように。

 “恋して、よかった”
 そう思える誰かの一助になれたなら、私は本望です。



また、いつか。

どこかで、誰かの物語を一緒に紡げる日を楽しみにしています。

愛と祈りを込めて。

──リーシェより
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