First Light.


私の言葉に佐伯さんは目を見開き、驚いたような顔をした後真剣な表情に戻った。


「……構いません。僕は聡美さんも、翠さんも幸せにしてみせます」


真っ直ぐに私を射止め、覚悟を決めた顔になった。
さっきまで緊張して、固まっていたのに。


「……幸せにするのなんて当たり前です」

「ぇ、あっ、ご、ごめんなさい、」


コロコロと変わる表情に面白い人だなぁと思ったのはここだけの話。

その後注文していた料理が届き、佐伯さんは普段何をしているのかなどお見合いのような時間を過ごし初めての顔合わせは無事に終わった。


小さくBGMが流れる車内で、窓の外を見ていた私の名前をお母さんは呼んだ。


「今日は本当にありがとう」

「いいよ、別に」

「翠が会うって言ってくれた後、物凄く喜んでたのよ」

「めちゃくちゃ緊張してたけどね」

「あぁ、彼緊張しいだから」


ふふ、と笑う声が聞こえる。


「……お母さんが幸せなら、私はそれでいいよ」


言った瞬間後悔した。
恥ずかしくなってしまって、ついBGMの音量を助手席から上げようとするとお母さんはそれを止めた。




< 187 / 250 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop