First Light.
「じゃ、俺行くわ。タコパ楽しんで」
「はい」
「あ、クラブには来んなよ」
「それはフリですか?」
「馬鹿違ぇわ。やっぱり不良お嬢様だな」
お嬢様じゃない、と言い返しバイクに乗って駅の方向へ帰って行く理人さんを見つめていた。
ブブッと、バイブレーションでスマホが震えたのはその時。
《やっと部活終わった!!》
《今から帰るねー!》
私もそろそろ日野家にお邪魔しとかないと。
理人さんに買って貰ったお菓子達をもってユズの家へと向かった。
私の家から徒歩5分の場所にあるユズの家。
私の家とは全く違う温かみのある家で、ユズのお母さんは園芸が趣味らしく昔から庭には色んな季節に咲く植物が植えられていた。
前にユズの家に遊びに来た時、庭に咲いている花の周りでふよふよと蝶々が飛んでいるのを見たことがある。
それは本当におとぎ話のようだった。
「ほらほら、翠ちゃん。座って座って!」
「あ、すみません。ありがとうございます」
家のチャイムを鳴らすと優しく微笑むユズのお母さんが出てくれて「待ってたわよ〜」と迎え入れてくれた。