それは禁断という愛
仕事が終わり、里中さんからメールが来た。

【外で待っている。】

私は了解ですと、即座に返信した。

「お疲れさまでした。」

私は立ち上がり、里中さんとの待ち合わせに急いだ。

「美麻さん!」

誰かが私の背中にぶつかってきて、振り向くと怜奈ちゃんだった事に驚く。

「こんな時は、飲みに行きましょうよ!」

人懐っこい怜奈ちゃんは、私がチームリーダーになる前から、こんな感じで誘ってきた。

「ああ……今日は、先約があって。」

「ええ?誰ですか?」

ちらっと瀬田さんの方を見ると、こっちは見ていないけれど、背中が私を意識している。

「ええっと……」

「言えないって事は、男ですか!」

ニヤニヤしている怜奈ちゃんに、ここで話す事はできない。
< 11 / 47 >

この作品をシェア

pagetop