それは禁断という愛
「怜奈ちゃん。ちょっと……」

私は怜奈ちゃんを、オフィスの外に連れ出した。

「どうしたんですか?美麻さん。」

「いや、瀬田さんに聞かれるとまずいから。」

そう言うと怜奈ちゃんは、気づいたように声を小さくした。

「デートだってバレたら、また邪魔しそうですもんね。」

「いや、デートではないよ?」

ホント、怜奈ちゃんには敵わないな。

「相手、里中さんなの。愚痴聞いてくれるって。」

「きゃー!里中さん!」

相手が里中さんだと聞いて、怜奈ちゃんは興奮している。

「って言うか、愚痴なら私も聞きますよ。」

「うーん。里中さんはどういうかな。」

すると怜奈ちゃん、素早くスマホを操作している。

「里中さん、怜奈ちゃんだったら来ていいよって、言ってくれました。」
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