それは禁断という愛

瀬田さんは、驚いている。

そして、自分の持っている資料を、部長の目の前に出した。

「木原さんのチームの企画が採用される前と、採用された後の結果を出してみました。」

部長は、その資料を手に取った。

「採用される前、この会社は10回の内、8回は企画がクライアント側に採用されています。ですが、木原さん達のチームが採用されてからは、3回続けて負けています。」

「まだ3回じゃないか。」

「いいえ。3回も立て続けにです！」

瀬田さんは、テーブルをドンと叩いた。

「これが、公私混同した結果ですよ？」

私は、怒りを抑えきれなかった。

「瀬田さん。立て続けにクライアント側に採用されなかったのは、私達の企画が至らなかったからです。決して、部長の公私混同の結果じゃありません。」