それは禁断という愛
半ば、喧嘩別れをした私達。

それ以降は、普通の上司と部下に戻った。

私は、部長を必死に忘れようと、仕事に邁進した。

チームリーダーになったのは、その後だ。


「ありがとうございます。どうしても力になって頂きたい時には、ご相談致します。」

私は部長の手を、そのままにした。

手を取っていたら、それこそ公私混同だ。

「もういいよ。今度の企画こそ、クライアント側に気に入って貰えるように、頑張ろう。」

「はい。」


ミーティングルームを出てデスクに戻ると、怜奈ちゃんが私の席に来た。

「大丈夫よ。部長は、理解してくれているから。」

「美麻さん。」

すると彼女は、私の耳元で囁いた。

「瀬田さん。美麻さんが部長の愛人だって、影で言いふらしています。」

「えっ⁉」
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