歪んだ月が愛しくて3
「どうしたのこんなところで?1人?」
「んなわけないじゃん。リカとデートだよ、で・ぇ・と♡」
「立夏くんと?」
「ほらあそこに…」
少し離れたところにいるリカを大声で呼ぶと、リカもアオの存在に気付いたようで小走りで戻って来た。
「葵、……と杜山くん、2人も来てたんだ」
「うん…。ここのお祭りは毎年来てるから、それで今日も史くんと遊びに来たんだ」
「あ、……うん」
「そっか」
……あ、この感じ。
前にも何度か感じたことのある、変な感じ。
でも前はリカがアオに遠慮してるって感じだったけど、どう言うわけ今はアオの方が気まずそうな空気を出していた。
そんな空気を俺やモリモリに悟られたくないのか、リカの方は見た目では分からないくらい平静を装っていた。
だったら俺も…。
「2人はデートなんだって。俺達と一緒だね」
「デッ、デデデ…っ!?」
「そ、そんなじゃねぇよ!勘違いすんなよな!」
「出た、ツンデレさんのお決まりの台詞。まあ、そんな顔で言われても説得力ないんだけどねぇ」
「ち、違うの未空くん!僕達は幼馴染みだから毎年一緒に来ててそれで今年も…っ」
「何が違うのかわっかりましぇ〜ん」
「未空くん!」
「……葵、世間ではそう言うのをデートって言うんだと思うよ」
「立夏くんまで!?」
いつものノリでアオを揶揄えば、案の定顔を真っ赤にさせて狼狽出した。
可哀想……なーんて、これっぽっちも思ってないよ。
テンパってるアオも、その横で絶賛拗らせ中のモリモリも、見てるこっちが恥ずかしくなるくらいウブ過ぎるんだもん。お前等は小学生かっつーの。これ絶対お互いの気持ちに気付いてないでしょう?頼稀とのんちゃんとはちょっと違うけど、両片想いってやつでしょう?
別に2人をくっ付けようとしてるわけじゃないけど、こんなお互い好き好きオーラを出してるくせに相手の気持ちに全然気付かないなんてバカ……じゃなくてちょっと不憫じゃん。だから少しくらいはアシストしてあげようかなって。俺って優しい。
「でも良かったね、2人共仲直り出来て」
「、……うん」
「………」
そんな俺の考えを読み取ったリカが2人に優しく声を掛ける。
……こう言うさ、空気が読めるところも好きなんだよね。
冷たそうに見えるところもあるけど、ちゃんと相手の気持ちに寄り添って欲しい言葉をくれるんだよね。
ああ、もう全部好き。本当好き。
俺マジでリカに骨抜きなんだけど、どうしよ…。