歪んだ月が愛しくて3



「どうしたのこんなところで?1人?」

「んなわけないじゃん。リカとデートだよ、で・ぇ・と♡」

「立夏くんと?」

「ほらあそこに…」



少し離れたところにいるリカを大声で呼ぶと、リカもアオの存在に気付いたようで小走りで戻って来た。



「葵、……と杜山くん、2人も来てたんだ」

「うん…。ここのお祭りは毎年来てるから、それで今日も史くんと遊びに来たんだ」

「あ、……うん」

「そっか」



……あ、この感じ。



前にも何度か感じたことのある、変な感じ。
でも前はリカがアオに遠慮してるって感じだったけど、どう言うわけ今はアオの方が気まずそうな空気を出していた。
そんな空気を俺やモリモリに悟られたくないのか、リカの方は見た目では分からないくらい平静を装っていた。



だったら俺も…。



「2人はデートなんだって。俺達と一緒だね」

「デッ、デデデ…っ!?」

「そ、そんなじゃねぇよ!勘違いすんなよな!」

「出た、ツンデレさんのお決まりの台詞。まあ、そんな顔で言われても説得力ないんだけどねぇ」

「ち、違うの未空くん!僕達は幼馴染みだから毎年一緒に来ててそれで今年も…っ」

「何が違うのかわっかりましぇ〜ん」

「未空くん!」

「……葵、世間ではそう言うのをデートって言うんだと思うよ」

「立夏くんまで!?」



いつものノリでアオを揶揄えば、案の定顔を真っ赤にさせて狼狽出した。
可哀想……なーんて、これっぽっちも思ってないよ。
テンパってるアオも、その横で絶賛拗らせ中のモリモリも、見てるこっちが恥ずかしくなるくらいウブ過ぎるんだもん。お前等は小学生かっつーの。これ絶対お互いの気持ちに気付いてないでしょう?頼稀とのんちゃんとはちょっと違うけど、両片想いってやつでしょう?
別に2人をくっ付けようとしてるわけじゃないけど、こんなお互い好き好きオーラを出してるくせに相手の気持ちに全然気付かないなんてバカ……じゃなくてちょっと不憫じゃん。だから少しくらいはアシストしてあげようかなって。俺って優しい。



「でも良かったね、2人共仲直り出来て」

「、……うん」

「………」



そんな俺の考えを読み取ったリカが2人に優しく声を掛ける。



……こう言うさ、空気が読めるところも好きなんだよね。

冷たそうに見えるところもあるけど、ちゃんと相手の気持ちに寄り添って欲しい言葉をくれるんだよね。

ああ、もう全部好き。本当好き。

俺マジでリカに骨抜きなんだけど、どうしよ…。


< 41 / 91 >

この作品をシェア

pagetop