白いカーネーション
第3話 大学時代
大学受験に成功して、私は祖母の家を出た。

初めて自分の住む場所に、自分一人きり。

祖母の家に来て、初めて布団で一人寝た時の事を思い出した。


あの時は、無性に寂しかった。

昨日までは、母がいてくれたからだ。

でも今は、寂しくない。

自分には誰もいない。

自分一人だと知っているからだ。


大学でも相変わらず、私は忙しかった。

奨学金を貰っている為、勉強は手を抜けなかったし。

生活費等も稼がなくてならなかったので、ほぼ毎日のようにアルバイトをしていた。

無論働き過ぎて、勉強に支障が出るのは嫌だったし、税金を払うのも嫌だったから、そこは調整して。


そして、一つだけ知った事があった。

大学の友人達は、掃除や洗濯、料理に慣れておらず、新しい生活の中で、それが一番大変だと言っていた。

私は掃除・洗濯・料理を大変だと思った事はなかった。

むしろ、自分一人分だけで、楽になったと思った。

それは、祖母のおかげだった。

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