白いカーネーション
大学3年生の夏休み、一度だけ祖母の家に帰った。

「おう!来てたのか?」

黙って帰った事は申し訳なかったが、まるで私がいてもいなくても関係ないような態度だった。

「うん。調度バイトで長い休みが取れたから。」

大学生のバイトなんて、休みの希望を出せば100%通る。

そうしなかったのは、私が休みたくなかったから。

帰れない理由をバイトのせいにして、帰ってきた理由もバイトのせいにしていた。

「今日は泊まっていげんのか?」

「うん。明後日までいる。」

何気なく2、3日泊まる事を伝え、自分の使っていた部屋へと荷物を置きに行った。

そこは私がいた形跡等なく、既に物置状態になっていた。

荷物の中に、そっと私のベッドがそのままで残っていた。

中学生になる時に、親戚のお姉さんが、結婚するからいらなくなったと言って、私にくれた物だった。

布団類などは既に押入れに仕舞いこまれ、マットレスは壁に立てかけてあった。

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