白いカーネーション
「芽実、飯だあ。」

部屋の向こう側から祖母に呼ばれ、涙を拭って祖母の元へ急いだ。

祖母が台所で夕食を作って、祖父が居間でテレビを見ている。

「芽実。帰ってきた時ぐらい、ばあさんを手伝えや。」

“帰ってきた時ぐらい”って、私が手伝わなかった事なんてなかったでしょ?

むしろ私が面倒を見ていたと、心でブツブツ言いながら、台所へ向かった。

私がいた時よりも歳を取った祖母。

その背中は、小さくなったように見えた。

「ばあさん、今日のおかずは?」

私が聞くと、パックのお刺身があった。

スーパーでよく見る盛り合わせだ。

しかもかなり種類が多い。

「今日、孫帰ってきてるって言ったら、スーパーに勤めている今朝子ちゃんがよ、安くしてくれたんださ。」

「へえ~。」

よくパックを見ると、値段表示の場所に10%OFFのシールが貼ってある。

いわゆる、夕方になると特売になる、あれだ。

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