白いカーネーション
「おめえ、彼氏いんのが?」

こう言う事を聞いてくるのは、大抵じいさんの方だ。

「いない。」

「誰がいい人は?」

「今、探している最中。」

私の返事に、あはははっと祖父母が笑う。

「そのうち芽実にも、嫁ごさ欲しいって言う奴がいるんだべ。」

「ほだぁ。うちらの前さ手を付いて、頭下げんのしゃあ。」

そして、二人だけでニコニコと、微笑みを浮かべていた。


そう言えば、結婚する相手が見つかったら、この家に連れてこなきゃいけないんだっけ。

私と結婚したいと言う相手が、この家に挨拶に来る時の事を想像して、盛り上がっている二人を他所に、私はふと居間を見渡した。

私を産んだ母が、小さい頃に建てたという家は、何十年もの歳月をかけて、もう古くなっていた。

ところどころ、壁が剝がれている場所もあるし、一番上になんて、蜘の巣みたいな白い線が見えた。

あまり体が動かなくなったせいか、よく使う物は床にまとめて置いてあって、それが返って物が溢れているように見せた。

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