ひとつ、ふたつ、ひみつ。

「ねー、こまり、本当に土曜日、幼なじみくんとデートするの?」

「だから、デートじゃないんだってば。あっくんと買い物なんて、今まで何回もしてるし。……ていうか」

私は頬をふくらませて、膝の上を見る。

「……これ、いつまでやってなきゃいけないの?」

「俺の気が済むまで」

「うう……」

夕飯の後、いつものようにふたりでリビングでくつろぐ時間……の、はずが。

ソファーに座った私は、真尋くんに膝枕(ひざまくら)をしている。

真尋くんの言い分としては、「俺を困らせたお()びをしてくれる?」……らしい。

それが膝枕なのも意味が分からないけど、その理屈(りくつ)が通るなら、私だってお詫びしてもらってもいいと思うんだけど。

……と、気づいた頃には、すでに真尋くんの頭は私の太ももに乗った後だったわけで。
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