ひとつ、ふたつ、ひみつ。
ぶわっと一気に、顔の温度が上がる。
汗がにじむ。
目がうるんで、目の前がぼやける。

「真尋くんの世界でも、キスって……呼ぶ?」

「うん」

「……真尋くんは、……私のことが、好きなの?」

「好きだよ」

「……っ」

「好きだよ、こまり。だから、こまりにしかしない」

嘘みたい。

本当は、私は自分に都合のいい夢を見ているだけなのかもしれない。

だって真尋くんは、好きになっちゃいけない人で。
いつか絶対に、いなくなる。

……そうでしょ?

「な、なんで? ずっと一緒にいられないのに。そんなこと言うの、ズルい……」

「一緒にいちゃだめなの?」

「だって……」

「こまりが、ここにいてもいいって、言ってくれたのに」

心臓の音が、うるさすぎる。
頭の中がぐちゃぐちゃで、まとまらなくて。

どうしようもなく幸せで、困る。

「真尋くんは、私のそばに……いてくれるの?」

「うん、いたい。……いい?」
< 201 / 286 >

この作品をシェア

pagetop