ひとつ、ふたつ、ひみつ。
4*幼なじみエンカウント。
異世界人がうちのベランダに降ってきてから、一週間が過ぎた。

タイムマシンの画面は相変わらず真っ赤なままで、真尋くんは今日も503号室にいる。

「こまり、起きて。朝だよ」

「うー、うう……?」

ゆさゆさと肩を揺らされて、見ていた夢が消えていく。

「こまり、今日も学校でしょ?」

「うう……、がっこう、やだ……いきたくない……」

「行かないの? じゃあ今日は、一日中一緒にいられるね」

「ん……んん?」

鳥の鳴き声が聞こえる。
まぶたの裏が、明るい。

ゆっくりと視界が広がっていく。
目の前には、ニコニコと笑っているイケメン。

「!!」

勢いよく起き上がる。
すっかり着替え終わった真尋くんが、ベッドの上の私を見ていた。

「おはよう、こまり。残念、起きちゃった」

「おは、よう……? ……あっ、真尋くんまた勝手に部屋に入って!」

「こまりをぎゅーってすると、よく眠れるからね」

「またベッドにも入ってたの!?」

「しまった、バレた」

「自分から白状したんだよ!」

「もう諦めて、毎日一緒に寝ようよ」

「そんなの無理だよ……」

触れるだけで血が沸騰(ふっとう)しそうなくらいドキドキしてるの、知らないくせに。
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