冷血CEOにバツイチの私が愛されるわけがない~偽りの関係のはずが独占愛を貫かれて~
えんじ色の箱の上にはケーキのようなものが載っている。
でも、近づいていくとそれがケーキではないことがわかり、「わっ、すごい!」と歓喜の声を上げてしまう。
「お花……?」
彼の目の前まで行って、やっとその正体がわかる。
まるでホールのショートケーキのようなそれは、すべて花で作られているフラワーアレンジメント。
上部には赤い薔薇と木の実が、ケーキの周回は白薔薇や白い花で飾られている。
上にはプレートが載っていて『Happy Birthday Chihana』と綴られていた。
「二十八歳、おめでとう」
突然のサプライズに胸がいっぱいになる。
嬉しさが込み上げると共に、涙まで浮かびそうになってしまった。
「ありがとうございます。こんな素敵なプレゼントいただけるなんて、思いもしなくて……」
受け取ったアレンジメントをじっくりと観察する。
こんなかわいくてセンスのある花をプレゼントしてもらったのは人生で初めて。
今まで男性から花のプレゼントをしてもらったことはない。
「そんなに喜んでもらえると用意した甲斐があるな」
裕翔さんは柔和な笑みを浮かべて私を見下ろしている。
「好きに過ごしててくれ。誕生日のディナーを用意する」
私にソファにかけるように勧め、裕翔さんはひとりキッチンに入っていく。
その姿を目で追いつつ、ソファに腰を下ろした。
誕生日のディナーって……?
不思議に思っているうち、裕翔さんがキッチンとダイニングテーブルを行き来しだす。
まさかと思いソファを立ち上がった。