冷血CEOにバツイチの私が愛されるわけがない~偽りの関係のはずが独占愛を貫かれて~
「ディナーって、もしかして裕翔さんが……?」
キッチンのカウンターの向こうで目が合った裕翔さんは、手を動かしながら微かに口角を上げる。
「三ツ星レストランみたいにはいかないだろうけどな」
「やっぱり、作ってくださるんですか!?」
思わずキッチンカウンターの目の前まで行って、裕翔さんに訊いてしまう。
中ではすでに支度が進んでいる料理の準備が始められていて、裕翔さんは冷蔵庫と作業スペース、コンロを行き来し始めていた。
「すごい……本格的」
そういえば、ご両親に私を紹介したとき、私の両親に挨拶したとき、どちらもクッキングスクールで知り合った〝設定〟になっていた。
あのときは料理教室に通っていると知り驚いたけど、その腕前を私の誕生日に披露してもらえるなんて思いもしない。
「なにか、お手伝いすることは?」
「主役はなにもしないで寛いでくれてればいい」
「見ているのはだめですか?」
キッチン内の様子から、すでに裕翔さんがかなり料理上級者なのが見て取れるから、迷惑でなければ覗き見たい。
「別に問題ないが、だいたいはもう仕上げてあるから見ても楽しくはないと思うけど」
「それでも見たいです」
「普段、料理はするのか」