冷血CEOにバツイチの私が愛されるわけがない~偽りの関係のはずが独占愛を貫かれて~


 裕翔さんの手元では、黒いシックなスクエア型プレートが二枚。

 そこに載せられていくのは、なんとテリーヌ。彩の美しい一品の周りには、飾るように野菜が添えられていく。最後にそこにはバジルクリームのようなソースが絵を描くようにプレートに落とされた。

 裕翔さんは仕上がったそれを手に、キッチンを出てくる。


「料理は、できるときにはするようにしてます。一応、今日も午前中は買い出しに出て、平日に食べる食事の用意をしていました」

「常備菜か」

「はい。あとは、冷凍にしておくと便利なのでお弁当を何食か作ってます」


 すでにテーブルコーディネートが済んでいるダイニングテーブルにそのふたつを置くと、裕翔さんは「ワインは飲めるか」と訊いた。


「ワイン、詳しくはないですが好きです」

「それなら開けよう」


 裕翔さんはダイニングを離れ、リビングの例の階段へと向かっていく。

 その後になんとなくついていってみると、階段下のスペースになんとワインセラーがあったのだ。


「すごい! こんなのが家にあるなんて……」

「料理と同じで、趣味みたいなものだ」


 自分でキッチンに立ち一品を作って、それに合うワインで乾杯、なんて……オシャレすぎる趣味。

 この素敵な部屋でそんな過ごし方をしている裕翔さんを脳内で想像してみると絵になりすぎる。

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