冷血CEOにバツイチの私が愛されるわけがない~偽りの関係のはずが独占愛を貫かれて~


「美味しそうに食べてもらえると作り甲斐があるな」

「だって、美味しいですもん。映える上に美味しくて、三ツ星レストランです」

「ずいぶん褒めてくれるな」


 裕翔さんは手にしていたグラスを置き、席を立ち上がる。キッチンへと入っていき、戻ってくると冷製スープを前菜の横に置いてくれた。


「本当にコース料理ですね、すごい……。これは……?」

 白い冷製スープ。じゃがいもかな……?

「カリフラワーのポタージュ」

「カリフラワー!」


 早速スープもいただく。カリフラワーの甘みが上品な味わいのスープ。猛暑が続くこんな時期にぴったりのあっさりした冷製スープだ。

 前菜とスープをいただいて、もうすでに感動で胸がいっぱいになっている。

「誰かの手料理で誕生日を祝ってもらうのなんて、実家の母にしてもらってたくらいなので嬉しいです」


 スープを運んでまたキッチンに引っ込んでいった裕翔さんは、手を動かしながらも私に目を向ける。


「元旦那は、君の誕生日に手料理のひとつも作らなかったのか」


 誕生日……。

 元旦那と過ごした自分の誕生日は、三度ほど。

 一度目はまだ結婚する前で、そのときはレストランで食事をした。

 二度目は結婚後。このときも外食で誕生日を祝ってもらった。

 そして三度目は、私の誕生日ということも忘れていたのか、特に特別な過ごし方をすることもなく、遅く帰ってきて思い出したかのように「おめでとう」と言葉を贈られた。

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