冷血CEOにバツイチの私が愛されるわけがない~偽りの関係のはずが独占愛を貫かれて~


 * * *


「ケーキまで作ってもらって……わぁ、フルーツがたくさん」


 誕生日ケーキは定番のショートケーキを作ろうかと思っていたけれど、いちごだけではないフルーツを使って華やかに仕上げたいと思い直しズコットを作った。

 イチゴにブルーベリー、オレンジにキウイフルーツと、彩りよく仕上がった。

 ダイニングテーブルの片付けを申し出てくれていたけれど、そのままにしておいて構わないと話してケーキがリビングのソファ席に運んだ。

 部屋の照明を食事中よりも薄暗くして、ケーキに立てたロウソクに火をつける。

 彼女の前にケーキを置いて、バースデーソングを口ずさんだ。


「ありがとうございます!」


 どこか遠慮がちに火を吹き消すから、二本のロウソクに火が残る。


「もう少し」

「あ、はい」


 すべての火が消えて、もう一度「おめでとう」と今日の日を祝った。

 前回のランチの失敗を踏まえ、板東からもアドバイスをもらった上で計画した知花のバースデー。

 自宅に招くまでは気がかりも多少抱えていたものの、今日は嬉しそうな顔をたびたび見られてホッとしている。

 ここならひと目はまったく気にならないだろう。

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