冷血CEOにバツイチの私が愛されるわけがない~偽りの関係のはずが独占愛を貫かれて~


 メッセージや電話では誕生日の後日に改めてお礼を伝えた。でも、あの日以降は直接会う機会がなかったから、時間は経ってしまったけれどもう一度伝えたかった。

 想像をはるかに上回る誕生日祝いだった。

 裕翔さんの自宅に招いてもらったことも、手作りの誕生日ディナーを振る舞ってもらったことも、可愛い花やプレゼントまで……。

 あの日から腕につけている一粒ダイヤの輝くブレスレット。

 一生縁のない高級ブランドのアクセサリーなんて受け取れないと断ったけれど、気持ちだと思ってほしいと言われ、最後まで本当にいいのだろうかと躊躇しながら受け取らせていただいた。

 身の丈にあっていなくて、初めのうちはつけていると落ち着かなかったけど、今は裕翔さんからの贈り物として大切で肩身離さずつけている。

 そしてなにより嬉しかったのは、裕翔さんから言われた言葉……。


『これから先、ずっと知花の誕生日を祝わせてほしい』


 あんな素敵な誕生日をしてくれた裕翔さんだ。

 それはきっと叶わなくても、あのとき、あの瞬間贈ってもらった言葉として私は最高に嬉しかった。

 生涯忘れられない誕生日になった。

< 123 / 172 >

この作品をシェア

pagetop