冷血CEOにバツイチの私が愛されるわけがない~偽りの関係のはずが独占愛を貫かれて~
「あなた、唐木田さんですよね?」
入ってきた私へ、順番を待っていたひとりの男性が声をかけてくる。
それを合図にしたように一斉に取材陣の視線が自分に集まって、思わず固まるように足が止まった。
「今回出た記事についてお話をうかがいたく、少しよろしいでしょうか」
今回出た記事……?
一体なんのことだかわからず、立ち尽くす。
「七瀬CEOとは記事の通りのご関係ということで認められますか?」
「唐木田さん、今はバツイチだそうですが、離婚前から七瀬CEOとは不倫関係にあったというのは事実なのですか?」
「今回の新サービスは唐木田さんがプロジェクトリーダーだということですが、七瀬CEOとプライベートな関係がある上で任されたという認識で間違いないでしょうか?」
一斉にされた質問に頭の中が真っ白になる。
なにひとつ問われていることの意味がわからない。
反応できない私をいつの間にか取材陣が取り囲み、四方八方から質問を投げかける。
「答えてください! 事実であれば、今回リリースされたサービスにも影響が出ると考えられますがいかがでしょうか?」
「不倫するような人が再婚相手を探せるマッチングサービスをプロデュースしたというのは話題作りともとれますが!」
いったいどうしたらいいのか、ひとまずこの場を離れようと思っても、全方向から囲まれボイスレコーダーを向けられている。