冷血CEOにバツイチの私が愛されるわけがない~偽りの関係のはずが独占愛を貫かれて~
「すみません、なにもお答えすることは──」
そんなとき、取材陣たちが揃って同じ方向に注目する。
「七瀬CEO!」
えっ?と思ったときには「失礼」という裕翔さんの声を聞こえ、私を庇うようにその場から連れ出していく。
「先ほど出た記事については、私のほうから対応させていただきます」
丁寧に、でもどこかに圧を感じるはっきりとした声。
「この場でひとつお伝えしておきたいのは、すべて事実と異なるということ。以上」
裕翔さんはそれだけを言い、私の背を押して部屋から出て行く。そのまま、別の貸し部屋へと入室した。
中には誰の姿もなく、ホッと息をつく。
「あ、あの、裕翔さん。今のはいったい……?」
脱出してきたものの、未だに動揺は隠しきれない。
「一時間ほど前、週刊誌のデジタル版にうちに関する記事が出たんだ。新サービスの話題にかけて、その発案者である知花と、俺が不倫関係にあったなどと事実無根の記事だ」
「そ、そんな……」
どうしてそんなデマが大々的に記事にされてしまうのか訳が分からない。
出所はどこなのか。なんのためにそんな嘘の記事が出回っているのか。
でもそんなことよりなにより、会社に、裕翔さんに、迷惑をかけてしまっていることは間違いない。