冷血CEOにバツイチの私が愛されるわけがない~偽りの関係のはずが独占愛を貫かれて~
「ただ、不審な点が多すぎる。どうしてこんなタイミングでそんな内容の記事が出るのか……内部事情を知っている人間の仕業かもしれない」
「社内の人間かもしれないということですか?」
「とにかく今、対応には当たっている。心配いらない」
裕翔さんはそう言ってくれているけれど、こんな記事が出てしまった時点で会社や裕翔さんのイメージにも傷がつく。
不倫なんて事実は一切ない。有り得ない。
だけど、そんな記事が騒がれれば、どこに向かって否定すればいいのだろう。事実とは違うと、訂正するにはどうしたら……。
「知花、顔を上げて」
優しく呼びかけられ、裕翔さんを見上げる。
彼は臆することなく、一寸の動揺すらない。いつも通り堂々と、強く凛としていた。
「大丈夫だ。知花のことは、俺が必ず守る」
「裕翔さん……」
心臓がバクバク嫌な音を立てて今も落ち着かない。
守ってもらってばかりいないで、私だって会社を守りたい。裕翔さんの築いてきたものに、こんなことで傷をつけられない。
「こんなことになって、申し訳ありません。私にできることは、なんでもしますので」
「ああ、力を借りることもあるかもしれない。とりあえず、今日のところは表には出ないほうがいいだろう。問題が解決するまで、自宅待機がいい」
今日のイベントを目の前で見ることができないのは悔やまれるけれど、あの調子では私が表に出ることでイベントに迷惑がかかるのは確実。
それだけはなんとしてでも避けたいから、裕翔さんの指示を素直に聞き入れ自宅待機することに決めた。