冷血CEOにバツイチの私が愛されるわけがない~偽りの関係のはずが独占愛を貫かれて~


 四月も下旬に入り、早い人は来週からゴールデンウイークに入るなどと朝の情報番組で言っているのを耳にした。

 今年は長い人で十連休の休みがあるという。

 十六時過ぎ。自分のデスクでパソコンに向かっていると、会社から支給されている業務用のスマートフォンが震え始める。

 手に取ると、秘書課の板東(ばんどう)という方の番号が表示されていて、応答に一瞬戸惑った。

 社用のスマートフォンは、所持している人間が登録されているものが支給されているから、どの課の誰から着信がきているか把握できるようにされている。

 でも、秘書課の人から電話がかかってくるなんて初めてのことだ。

 疑問を感じながらもスマートフォンを手に取る。


「はい、コミュニケーションチーム唐木田です」

《お疲れ様です。秘書室の板東と申します》


 板東さんという方は女性の方で、落ち着いた声のトーン、話し方の人だ。


「お疲れ様です」

七瀬(ななせ)CEOがお呼びです》


 七瀬CEO……CEO!?


《執務室のほうへお願いします》

「あ、あの、私ですか?」


 なにかの間違いではないかと思い確認の言葉が出てくる。

 CEOに呼び出されるなんて、一社員である私には思い当たることがない。


《唐木田知花さんを呼んでほしいと言われています。間違いではございません》


 確認を取ることもなく、板東さんははっきりとした口調で即答する。

 CEOから仕事を頼まれているような方がミスをするはずもなく、本当に呼び出されているのは私のようだ。


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