冷血CEOにバツイチの私が愛されるわけがない~偽りの関係のはずが独占愛を貫かれて~


「え……? あの人たちって」


 口にも出したくない人たちがちらりと頭を過る。


《いや……まさかね。さすがに、そんなデマを売り込むような度胸はないか》


 彩子先輩が言いたかったのは、私が思い浮かべたふたりで間違いないようだ。

 異動後に会社前に揃ってやってきてから、あのふたりには会っていない。


《あと可能性があるのは、七瀬CEOの周囲の女性とか……縁談した女性とか? お見合いをしたくないくらいなんだし、しつこい女性がいたとか?》


 彩子先輩の話に〝なるほど……〟と納得してしまう。

 確かに、縁談は何度か断ったりしているみたいだし、そういう相手の女性という可能性も否定できない。


《それか、七瀬CEOのビジネス上のライバルとか……》

「そういう可能性もなくないですね」

《うん、権力を持てば、敵も多くなるだろうしね》


 陥れようとする人はいくらでもいる、か……。


《でも、誰であろうと、七瀬CEOのお怒りは買ったよね……あんな嘘の記事、私だって許せない。調べるって言ってたんでしょ?》

「はい。昨日のイベント始まる前の時点で、対応に当たってるって」

《それなら、きっと早く解決すると思う》

「はい……」


 私の声が沈んで聞こえているのだろう。彩子先輩は心配そうに「知花ちゃん」と私を呼んだ。

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