冷血CEOにバツイチの私が愛されるわけがない~偽りの関係のはずが独占愛を貫かれて~
「あなたの得たもの、私に譲ってくれるのなら今回のことはなかったことに手を回してあげるわ。そのほうが、七瀬CEOの汚名も返上できるでしょ」
三ツ橋さんは手に持つスマートフォンを操作し、自らがでっち上げた記事を私に再度見せてくる。
「バツイチのあなたと関係があるなんて、権威ある七瀬CEOにとってはマイナスのイメージにしかならない。この先、なにもいいことがないわ。この記事をなかったことにすれば、彼にも迷惑にならない。唐木田先輩も馬鹿じゃないと思うから、それくらいのことわかりますよね?」
「わかった。私のことはどうだっていい。ただ、あなたの言う通り七瀬CEOに迷惑になることは訂正してもらいたい」
そのときだった。
後方から、部屋の入り口の鍵が解錠されるガチャッという音が聞こえる。
「その必要はない」
聞こえてきた声と、開かれたドアの先に見えた光景に目を疑う。
そこには、冷静な面持ちの裕翔さんと、続いて入ってくる元夫の姿。その後には秘書の坂東さんも見える。
「どっ、どうして入って来られるんですか!?」
それまで余裕の表情を見せていた三ツ橋さんも、突然の裕翔さん乱入にあからさまに動揺を露わにする。