冷血CEOにバツイチの私が愛されるわけがない~偽りの関係のはずが独占愛を貫かれて~


「幸せそうだったから、壊したら楽しそうと思って近づいただけ。なにもなくなったあなたに、なんの面白みもないわ。ただのバツイチ男に興味なんてない」

「お前っ、人の人生なんだと思ってんだよ!?」


 修羅場を迎えるふたりの会話に、裕翔さんが「続きは」と口を挟む。


「ふたりだけでやってもらえるか。聞かされるほうも気分が悪い」


 裕翔さんの大きな手が私の背にそっと触れ、部屋の外へと誘導されていく。


「先ほど言った件は、今後は弁護士から連絡がある。私になにか言いたいことがあれば、彼を通してくれ」


 もう君とは話すこともない。裕翔さんの隠れたそんな言葉が聞こえてきたような気がする。

 向こうで坂東さんが入り口のドアを開けると、裕翔さんは突然足をとめ、「ひとつ、言い忘れていた」と私ごと部屋の中にいるふたりに振り返った。


「ヒロインみたいなシンデレラストーリーを駆け上がれているのは、知花が真っ当で、心が清らかで、一生懸命だからだ。君みたいな女性が成り代われるわけがない」


 裕翔さんからの言葉に、三ツ橋さんの表情が再び固まる。

 最後に「失礼」と言い残し、坂東さんが開けて待機するドアを一緒に出て行った。

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