冷血CEOにバツイチの私が愛されるわけがない~偽りの関係のはずが独占愛を貫かれて~
「はい。結婚前提、婚約者の〝フリ〟なのに、ご両親はもちろん、お祖父様まであんな風に騙すような形になってきて……それに、婚約者だとあんな大々的に言ってしまって。やりすぎてしまってないかと。私は、失うものもないですからいいですけど、裕翔さんは、困ってしまわないかと」
これでは、あとで収拾がつかなくならないか逆に心配になっている。
それに、裕翔さんを信頼しあんな風に味方になってくれるお祖父様まで結果的に裏切ることになってしまうのは、私としても正直心苦しい。
「やりすぎって、なにを言ってるんだ?」
「え……?」
「これで、晴れて話を進められる」
満足そうな裕翔さんの様子に困惑が広がる。
話を進められるって……?
「あの、ごめんなさい。話の行方が見えないのですが……」
下手に理解したフリはせず、素直に伝える。
すると、裕翔さんは急に大通りを走っていた車を低速に落とし、路肩へと停車させた。急に何事かと身構える。
「もしかして、知花って相当な天然なのか?」
「えっ? そ、そんなことはないかと」
天然などと今まで言われたことがない。
どちらかといえば、真面目で面白くないタイプだと自負しているくらいだ。
「それなら、俺が君を想っていることはもちろん伝わっているんだよな?」
「……。えぇっ!?」
裕翔さんは〝やっぱりな〟みたいな顔をして笑う。
え、待って、これは、からかわれているの……?