冷血CEOにバツイチの私が愛されるわけがない~偽りの関係のはずが独占愛を貫かれて~
「最上級レベルの天然認定だな。俺なりに伝えてきたつもりだったが……ダメだったか」
落ち着いて思い返してみると、どきりとするようなことは何度も言われている。
特別に想い始めていると言われたこともあったし、元夫の話をしたときは嫉妬のような感情になったと言っていて戸惑ったこともあった。
誕生日をこの先ずっと祝いたいとも言われたし、私との偽りの関係が嘘から出たまことになればいいなんてことも言っていた。
けど、それが全部本当だなんてまさか思うはず……。
「ダメなんてことではないです! 確かに、思い当たる言葉はもらってましたから。でも、素直に受け取るにはおこがましいって無意識に……」
「それなら、素直に受け取った上での知花の返事が聞きたい」
真剣な眼差しを向けられ、鼓動が早鐘を打ち始める。
初めて呼び出されたときは、顔を合わせることも話すことにも緊張した相手だった。
冷徹と陰で言われているCEOとの不思議な偽装婚約者契約は、初めは仕事の重要任務のような感じだった。
そんな始まりだったけれど、一緒に過ごす時間は仕事では知ることのできない彼の様々な一面を目の当たりにさせ、そのたびに心が揺さぶられていった。
いつからか特別な感情を持ち始めていたのも自覚している。
でも、それはそっと仕舞い、誰にも知られることなく葬るつもりでいた。
自分の想いだけで突き進んでいいのなら……。