冷血CEOにバツイチの私が愛されるわけがない~偽りの関係のはずが独占愛を貫かれて~


 三十周年記念式典から二週間もすると、今年も早いもので十一月に入った。

 都内の街路樹も紅葉が見られるところも出てきていて、すっかり秋を感じる。

 もう一か月もすれば街はクリスマス一色になって、あっという間に今年も終わっていくのだろう。


「すみません、今日は早いのですがお先に失礼します」


 支度を済ませて席を立ち上がり、チームの面々に声をかける。

 チーム長はじめ、みんなから「お疲れ様!」と爽やかな声が返ってきた。

 一時はフェイクニュースでチームの面々にも迷惑をかけてしまったけれど、みんなは真実を見極め、信じて見守ってくれていた。

 異動してきてこの短期間でいろいろなことがあったけれど、いいチームメンバーに恵まれ毎日充実している。

 今日は午前中だけ出勤し、午後は半休を取っている。

 私自身になにか所用があるというわけではなく、今日の半休は裕翔さんに頼まれて取ったものだ。

 オフィスを出て、いつものエレベーターに乗って一階エントランスを目指す。

 エレベーター内はランチ時というのもあり、この中に入っている様々な企業の社員たちが乗り合いで一階を目指す。

 一階に到着すると、やはりエントランスロビー内は多くの人で賑わっていた。

 人の行き交う自動ドアをビルの表に出ていって、目に飛び込んできたものに足が止まりかける。


 えっ……?

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