冷血CEOにバツイチの私が愛されるわけがない~偽りの関係のはずが独占愛を貫かれて~


 数十メートル先の正面に立つ上背のあるスーツ姿。私を見つけると端整な顔が微笑む。

 その手には、見たことのないような抱えきれないほどの花束がある。


「裕翔さん……!? どうしたんですか!?」


 慌てて駆け寄っていくと、裕翔さんは一歩ずつ私へと近づいてくる。

 向かい合うまで距離が縮まると、その花束は白とピンクの大量の薔薇だというのがわかった。


「すごい薔薇の花束……」


 いったい何本あるのだろう。

 裕翔さんは私にその大きな花束を差し出す。

 裕翔さんでも抱えている姿が迫力があったのに、私が持ってみると更に大きく見える。

 薔薇の香りに包まれて、眼下に花畑が広がっているみたいだ。


「これ、私に……?」

「受け取ってもらえるか」

「こんなすごい薔薇の花束、生まれて初めてです」

「でも、この中に本当に渡したいものがあるんだ」


 そう言った裕翔さんはまた私の手から花束を受け取る。


「この真ん中を探してみて」

「え……? なにかあるんですか?」


 言われた通り、薔薇を痛めつけないように花束の真ん中を探っていく。

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