冷血CEOにバツイチの私が愛されるわけがない~偽りの関係のはずが独占愛を貫かれて~


「顔合わせ用に綺麗にしてきてくれたんだな」

「あっ、はい。私のできる程度で申し訳ないのですが」

「そんなことはない。親から見れば好印象の雰囲気だ」


 良かった……。


 好感触の感想に胸をなでおろす。


「でも、もっとわかりやすく伝えておくべきだったな」

「え……?」

「今日のために、すべて準備はしてあるんだ。だから、なにも気にせず体ひとつで来てもらえればいいと言うべきだった」


 どういう意味だろうと思っている間にエレベーターは一階へと到着する。

 マンションの前には、白い高級外国車のセダンが停車していた。ピカピカに磨かれたボディに釘付けになる。

 七瀬CEOは、助手席側のドアを開け、私に向かって「乗って」と言う。


「え、あ、はい。お邪魔します」


 七瀬CEOの車に乗るなんて平静を保っていられるはずもなく、かといって動揺しすぎてもたもたするのも申し訳ない。

 開けてもらったドアからそろりと乗車するとすぐにドアが閉められた。

 本革だと思われるシートは滑らかで座り心地が抜群。体を包み込むようで、腰を下ろした途端思わずシートに振り返ってしまったほど。

 そんなことをしている間に七瀬CEOが運転席に乗り込んできた。


「シートベルトを」

「あ、はい」


 普段は車に乗り込んだら無意識にシートベルトを締めるのに、圧倒されてそれすら忘れてしまっていた。慌ててシートベルトを装着する。

 私の動作を確認して、七瀬CEOはエンジンをかけた。

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