冷血CEOにバツイチの私が愛されるわけがない~偽りの関係のはずが独占愛を貫かれて~
「改めて、今日はありがとう。移動中のふたりきりのうちに今日のことを確認しておきたい」
「はい、そうですね」
今日についての詳細は事前にメッセージアプリで聞いているけれど、ぜひとも確認はしておきたい。
「君とは仕事を通じて関わり、プライベートな付き合いをして意気投合したとする。俺から声をかけたということにしたい」
「はい」
「君に離婚歴があることは伏せる」
私にバツがついていることはどうするのだろうと思ったけれど、それに関してはあえて触れず、私は初婚ということにするという。
「伏せるというより、特に話題には出さないというイメージだ。まさか、何回目の結婚かと両親が訊いてくるとは思えない」
「そうですね。嘘をつくわけではなく、余計なことは口にしないという感じでしょうか」
「そうだ、さすがだな、話が早くて助かる」
まさか、七瀬CEOが真剣交際しているという相手がバツイチだなんて、ご両親も思うはずもない。
私の役割は、あくまで婚約者のフリ。本当の婚約者ではないのだから、余計なことは伏せておくのが一番だ。
「基本的には、俺の話に合わせてもらえれば問題ない。君が困ることのないように細心の注意を払う」
「わかりました、ありがとうございます」