冷血CEOにバツイチの私が愛されるわけがない~偽りの関係のはずが独占愛を貫かれて~
「礼には及ばない。わざわざメールありがとう」
地下一階へ着いたエレベーターから降り、向かった先にあったのはこの間とは違う黒いセダン。
前回乗せてもらった車とはまた違う高級外車だ。
買い換えた?なんて思ったものの、きっとそうじゃない。
七瀬CEOクラスの人になれば、高級車の数台所有しているに違いない。
「乗って」
「はい、ありがとうございます」
今日もまた助手席のドアを開けて私の乗車を促す。
七瀬CEOが乗り込んだ車はすぐに駐車場を出て行く。
夜の街を走り出し、十分ほどでまた地下の駐車場へと入っていった。
そこは、六本木にある超高層オフィスビル。店舗やレストランの他、美術館や展望台も入っている複合施設だ。
この中にある店舗やレストランには数度来たことがある。
七瀬CEOは地下二階の駐車場に車を駐車すると、迷うことなくエレベーターへと向かった。
食事でもするのかな……? そんな時間ではあるけれど……。
駐車場から本館へのエレベーターへ乗り継ぎ、指定した階は五十三階。
「展望、エリアですか……?」
会社前で付き合ってほしいと言われて、特に行き先を訊くことなくついてきた。今になってやっと質問してみる。
「ああ、行ったことはあるか」
「いえ」