冷血CEOにバツイチの私が愛されるわけがない~偽りの関係のはずが独占愛を貫かれて~
身支度と出かける用意が完了したのは、十五時半を回った頃。
昨日の晩に入ってきたメッセージでは、十六時あたりに迎えにきてくれると連絡が入ってきた。
ちょうどいい頃合いで支度を終え、ホッとソファに腰を下ろした。
裕翔さんに直接会うのは、この間の両親と食事をしたとき以来。
メッセージのやり取りや電話では話しているけれど、顔を合わせるとなるとやっぱり今でも緊張する。
通話で声を聞いただけでもドキドキしたのに、会ったらきっともっと……。
刻々と迫る約束の時間を前にそんなことを思い始めると落ち着かなくなってきて、無駄に立ち上がり自分の姿を再度チェックし始めたりする始末。
そんなことをしているうちにスマートフォンが鳴り、裕翔さんから到着したというメッセージを受信した。
今出て行くと返信をし、そそくさと部屋を出る。
夕方近くなってきても、一歩外に出ると熱気に襲われる八月中旬。
せっかくシャワーを浴びたけど、これではすぐにまた汗ばみそうだ。
エレベーターを待ち、一階へと向かっていく間にもすでに緊張が生まれて鼓動を高鳴らせていく。
エントランスに出て行くと、前回送り届けてもらったときと同じ場所に、今日は白いボディの車がハザードランプを点灯させて停車していた。
出て来た私に気づいたのか、運転席の扉が開く。
降りて来た裕翔さんは、グレーのスーツで、爽やかなブルーのシャツにネイビーのタイ、ジャケットを脱いだベストの姿だ。
ここに来る前、仕事があったのかもしれない。