生徒会長と私
第2話 彼は生徒会長
カフェにいた TUBASAくん……… 正確には
氷室 翼くんは一礼すると壇上で生徒会長としての抱負を語る。
「生徒会長の氷室 翼です。
投票してくれた人たちの期待に応えたいと思います。公約に掲げたものは………」
長めの前髪に、黒縁眼鏡、薄い唇に、白い肌、でも、今は緊張しているのか、
うっすらと頬が赤くなっている。
呆然とする私と友だち三人。
少し前に生徒会の選挙があったが興味がなくて選挙演説もろくに聞いてなかった。
驚く私とぽっちゃり系の大山 照美(てるみ)、不思議ちゃんな星崎 ルナをよそに
クラス委員のせりなはストレートの髪を後ろに払って
「知らなかったの?」と冷静に突っ込んだ。
「知ってたのなら教えてよ」
「まさか、自分の学校の生徒会長の顔、わからないなんて思わなかった」
と目を丸くして私たちを見るせりな。
「私は食べ物は覚えられても人の顔は……」と視線をそらす照美。
「選挙期間中は星と交信してたから」とルナ。
「深夜にゲームやりすぎで半分寝てたよね」とせりなに言われて
「惑星間通信に必要な儀式で……」と意味の分からない言い訳をしている。
―私のバカ! もっとしっかりいていれば昨日の失態をしなくて済んだのにぃー!!
がっくりと肩を落として、新生徒会の人たちの気負った抱負を聞いていた。
「ねぇ。それ外したほうが良くない」
せりなが、私のポニーテールのリボンを指さす。
私のトレードマークの赤いリボン。
昔読んだ漫画の主人公が同じリボンをしていた。
私の黒い髪によく似合う赤。だけど、今はそんなこと言っている暇はない。
こんな目立つものをつけていたら速攻見つけられてしまう。
私は隠れるように身をかがめてリボンを外して制服のスカートのポケットにしまう。
完全に後の祭りだと知るのはすぐなのだが。
「私たちに気づいて注意してくるかな?」
と不安そうな目を私に向ける照美。
「私を守護する女神アルテミスのお導きです」
とどこまでが本気なのかわからない返しをするルナ。
「この言い訳が、本気で通用しそうなのよね。ルナって」
とせりながルナを一歩引いた眼で見る。
「逃げよう!」
と私が言い出す。
あのゲームを言い出したのは私。
やったのも私。
だから、バレたら一番怒られるのが私、楓 陽葵(ひまり)である。
「うん」
と四人の意見は一致した。
朝礼が終わり、生徒たちが教室に戻り始める。
ぞろぞろと生徒たちが廊下を歩き、自分の教室に戻っていく中、
スマホの通知音が鳴る。
「何よ。こんな時間に………」
メールの送信元と文面を見た瞬間、サーッと血の引く音が聞こえた。
「送信元 tubasa-himuro@ーーー
本文は『昨日のことで話がある。放課後、必ず、残りの三人も連れて生徒会室に来い!』」
文面を読み終わると同時に「ひー」と悲鳴を上げた。
氷室 翼くんは一礼すると壇上で生徒会長としての抱負を語る。
「生徒会長の氷室 翼です。
投票してくれた人たちの期待に応えたいと思います。公約に掲げたものは………」
長めの前髪に、黒縁眼鏡、薄い唇に、白い肌、でも、今は緊張しているのか、
うっすらと頬が赤くなっている。
呆然とする私と友だち三人。
少し前に生徒会の選挙があったが興味がなくて選挙演説もろくに聞いてなかった。
驚く私とぽっちゃり系の大山 照美(てるみ)、不思議ちゃんな星崎 ルナをよそに
クラス委員のせりなはストレートの髪を後ろに払って
「知らなかったの?」と冷静に突っ込んだ。
「知ってたのなら教えてよ」
「まさか、自分の学校の生徒会長の顔、わからないなんて思わなかった」
と目を丸くして私たちを見るせりな。
「私は食べ物は覚えられても人の顔は……」と視線をそらす照美。
「選挙期間中は星と交信してたから」とルナ。
「深夜にゲームやりすぎで半分寝てたよね」とせりなに言われて
「惑星間通信に必要な儀式で……」と意味の分からない言い訳をしている。
―私のバカ! もっとしっかりいていれば昨日の失態をしなくて済んだのにぃー!!
がっくりと肩を落として、新生徒会の人たちの気負った抱負を聞いていた。
「ねぇ。それ外したほうが良くない」
せりなが、私のポニーテールのリボンを指さす。
私のトレードマークの赤いリボン。
昔読んだ漫画の主人公が同じリボンをしていた。
私の黒い髪によく似合う赤。だけど、今はそんなこと言っている暇はない。
こんな目立つものをつけていたら速攻見つけられてしまう。
私は隠れるように身をかがめてリボンを外して制服のスカートのポケットにしまう。
完全に後の祭りだと知るのはすぐなのだが。
「私たちに気づいて注意してくるかな?」
と不安そうな目を私に向ける照美。
「私を守護する女神アルテミスのお導きです」
とどこまでが本気なのかわからない返しをするルナ。
「この言い訳が、本気で通用しそうなのよね。ルナって」
とせりながルナを一歩引いた眼で見る。
「逃げよう!」
と私が言い出す。
あのゲームを言い出したのは私。
やったのも私。
だから、バレたら一番怒られるのが私、楓 陽葵(ひまり)である。
「うん」
と四人の意見は一致した。
朝礼が終わり、生徒たちが教室に戻り始める。
ぞろぞろと生徒たちが廊下を歩き、自分の教室に戻っていく中、
スマホの通知音が鳴る。
「何よ。こんな時間に………」
メールの送信元と文面を見た瞬間、サーッと血の引く音が聞こえた。
「送信元 tubasa-himuro@ーーー
本文は『昨日のことで話がある。放課後、必ず、残りの三人も連れて生徒会室に来い!』」
文面を読み終わると同時に「ひー」と悲鳴を上げた。