神殺しのクロノスタシス7〜後編〜
…と、言うか。
今気づいたことがあるんだけど。
「それでは、キュレム様。ルイーシュ様。新設された、キルディリア魔王国のアーリヤット総督府にお連れ致します」
「ちょっと待ってくれ。エリトール君」
「はい?」
素朴な疑問なんだが。
「今、外出禁止令の時間なんだろ?自分は、思いっきり外に出てるけど」
「…」
「…これ、大丈夫なの?」
駄目なんだろ?家の外に出たら。
俺等が街を闊歩していたら、捕まるのでは。
しかしエリトール君は、俺からそんな質問をされたことに、少し驚いているようだった。
…何でだよ。突然の疑問だろ?
「ご安心ください、キュレム様。夜間外出禁止令が適用されるのは、旧アーリヤット皇国民だけですよ」
ブラマンジュちゃんが、笑顔で教えてくれた。
「…そうなん?」
「はい。キルディリア魔王国本国から移住してきたキルディリア国民、及び、キルディリアに国籍を変更したアーリヤット領の魔導師は、特別に外出禁止令の適用外となります」
「…」
何だと。
元アーリヤット皇国の民でも、魔導師で、しかもキルディリア魔王国に「鞍替え」した者は。
キルディリアお得意の特別扱いを受け、夜間の外出も許される。
…そういうことばっかするから。あんたら…。
「…ちなみにそれ、非魔導師だとどうなるんだ?」
「え?」
「元アーリヤット皇国民の、非魔導師が…もし、キルディリア国籍に変更することを希望したら?その人も、夜間外出禁止令の適用外に…」
「なりませんよ。国籍を変更するのは構いませんが、非魔導師には禁止令が適用されます」
…何で、そうなるんだよ。
認めてやれよ。
「国籍に関係なく、『青カード』は所詮、『青カード』ですからね」
魔導師に関しては、上級だの一般だの、キルディリア国民の移住者とか、元アーリヤット皇国民とか、色々区分があるのに。
非魔導師に関しては、非魔導師。それだけ。
その他有象無象、みたいな扱い。
不平等にも程がある。
…しかも。
魔導師か否かで、色々なことを判別するのは、この場所でも変わらない、んだな?
「この場所でも、証明書をさげてなきゃいけないんだな?」
「?勿論です」
何を当然のことを、と言わんばかり。
畜生。
アーリヤット領に来れば、この家畜札みたいな証明書、外すことが出来るかと思ったのに。
結局、まださげてなきゃいけないのか。
いい加減、邪魔。
しかし、物心ついた頃から、ずーっと証明書を首からぶら下げて生活していた、エリトール君やブラマンジュちゃんにとっては。
この不快感が、まったく理解出来ないようだった。
むしろ彼らにとって、この忌々しい証明書は。
キルディリア魔王国において、自分の身分を示し、人権を保証する為の、大事なお守りのようなものなのだろう。
何せ、キルディリア本国では。
この証明書の携帯を忘れただけで、非魔導師と同じ扱いを受ける羽目になるのだから。
そりゃ、自分の命と同じくらい…あるいは、それよりも大切なものなのかも。
…けっ。
こんな紙っぺら、スパイじゃなかったら、引き千切ってドブに捨ててやったところだ。
今気づいたことがあるんだけど。
「それでは、キュレム様。ルイーシュ様。新設された、キルディリア魔王国のアーリヤット総督府にお連れ致します」
「ちょっと待ってくれ。エリトール君」
「はい?」
素朴な疑問なんだが。
「今、外出禁止令の時間なんだろ?自分は、思いっきり外に出てるけど」
「…」
「…これ、大丈夫なの?」
駄目なんだろ?家の外に出たら。
俺等が街を闊歩していたら、捕まるのでは。
しかしエリトール君は、俺からそんな質問をされたことに、少し驚いているようだった。
…何でだよ。突然の疑問だろ?
「ご安心ください、キュレム様。夜間外出禁止令が適用されるのは、旧アーリヤット皇国民だけですよ」
ブラマンジュちゃんが、笑顔で教えてくれた。
「…そうなん?」
「はい。キルディリア魔王国本国から移住してきたキルディリア国民、及び、キルディリアに国籍を変更したアーリヤット領の魔導師は、特別に外出禁止令の適用外となります」
「…」
何だと。
元アーリヤット皇国の民でも、魔導師で、しかもキルディリア魔王国に「鞍替え」した者は。
キルディリアお得意の特別扱いを受け、夜間の外出も許される。
…そういうことばっかするから。あんたら…。
「…ちなみにそれ、非魔導師だとどうなるんだ?」
「え?」
「元アーリヤット皇国民の、非魔導師が…もし、キルディリア国籍に変更することを希望したら?その人も、夜間外出禁止令の適用外に…」
「なりませんよ。国籍を変更するのは構いませんが、非魔導師には禁止令が適用されます」
…何で、そうなるんだよ。
認めてやれよ。
「国籍に関係なく、『青カード』は所詮、『青カード』ですからね」
魔導師に関しては、上級だの一般だの、キルディリア国民の移住者とか、元アーリヤット皇国民とか、色々区分があるのに。
非魔導師に関しては、非魔導師。それだけ。
その他有象無象、みたいな扱い。
不平等にも程がある。
…しかも。
魔導師か否かで、色々なことを判別するのは、この場所でも変わらない、んだな?
「この場所でも、証明書をさげてなきゃいけないんだな?」
「?勿論です」
何を当然のことを、と言わんばかり。
畜生。
アーリヤット領に来れば、この家畜札みたいな証明書、外すことが出来るかと思ったのに。
結局、まださげてなきゃいけないのか。
いい加減、邪魔。
しかし、物心ついた頃から、ずーっと証明書を首からぶら下げて生活していた、エリトール君やブラマンジュちゃんにとっては。
この不快感が、まったく理解出来ないようだった。
むしろ彼らにとって、この忌々しい証明書は。
キルディリア魔王国において、自分の身分を示し、人権を保証する為の、大事なお守りのようなものなのだろう。
何せ、キルディリア本国では。
この証明書の携帯を忘れただけで、非魔導師と同じ扱いを受ける羽目になるのだから。
そりゃ、自分の命と同じくらい…あるいは、それよりも大切なものなのかも。
…けっ。
こんな紙っぺら、スパイじゃなかったら、引き千切ってドブに捨ててやったところだ。