神殺しのクロノスタシス7〜後編〜
…は。
…。
…はぁ?
シュニィの言葉の意味を噛み砕くのに、たっぷり10秒くらいは考えた。
シルナなんて、赤ペンを片手に持ったまま、呆気に取られて固まっている。
マシュリは、いろり形態から、人間形態に『変化』し直した。
だが、その眉間にはシワが寄っていた。
そして眉間にシワが寄っているのは、イレースも同じだ。
…。…嘘だろ?
「アーリヤット皇国が…無条件降伏…?」
「は、はい…」
シュニィも、声が震えている。
無理もないが。
アーリヤット皇国が…降伏した。
それはつまり、アーリヤット皇国が戦争に負けたということだ。
「そんな、まさか…。あのナツキ様が、こんなに簡単に…負けを認めるなんて…」
俺達は、戦争がもっと長引くものだと。泥沼化するものだと踏んでいた。
今は防戦一方のアーリヤット皇国だが、いつか必ず反撃に転じると。
最終的な結果は、勝つか負けるか分からないけど。
アーリヤット皇国は、まだまだ粘るはずだと…食い下がるものだと…。
少なくとも、こんなに短期間で雌雄が決するとは、思ってもみなかった。
イシュメル女王が得意げに微笑む様が、脳裏に浮かんだ。
結局、あの女王の宣言通りに。
「ってことは…アーリヤット・キルディリア戦争は、キルディリア魔王国が勝利したってことだよな?」
「そうです…。たった今、キルディリア魔王国のイシュメル女王が、正式に勝利宣言を行ったと…。聖魔騎士団に情報が入りました」
その情報を、一刻も早く、俺達のもとに知らせに来てくれたのか。
シュニィが血相を変えるわけだ。
そして、唖然としているのはシュニィだけではなく。
「…負けた…?アーリヤット皇国が…。あのナツキ皇王が…。こんなにも早く…?」
「マシュリ…」
『HOME』に所属し、この場にいる誰よりもよくナツキ様のことを知っているマシュリは。
顔を引き攣らせ、呆然と呟いた。
「有り得ない…。そんなこと、とても信じられないよ」
「私もです…。とても信じられません。ですが、本当のことなんです」
と、シュニィが答えた。
「キルディリアお得意の、寝ぼけた流言ではないのですか」
呆然としている俺達より、イレースはずっと冷静で。
腕を組んた体勢で、シュニィにそう尋ねた。
寝ぼけた流言って。
そういや、俺とシルナがキルディリア国内に閉じ込められていた時も。
イシュメル女王は勝手に、「聖賢者シルナ・エインリーがキルディリア魔王国に亡命した」と報道していたっけ。
偽情報を流して、国民を扇動するのは、イシュメル女王の十八番。
今回も、その政策の一環なのでは?
国民の士気を上げる為…。国民を一つにまとめる為に。
アーリヤット皇国に勝利した、という偽情報を流し…国民を扇動しようとしているのでは…。
…と、思ったが。
シュニィは、力なく首を横に振った。
「いいえ…。キルディリア魔王国だけではありません。アーリヤット皇国も、政府が正式に、無条件降伏の旨を国民に発表しています」
「えっ…」
アーリヤット皇国が…あの頑固なナツキ様が統べる、頑固な国が。
素直に、潔く、負けを認めた?
国民に、戦争に敗北したことを宣言した?
…まさか、そんな。
それじゃあ本当に…戦争は…。
…。
…はぁ?
シュニィの言葉の意味を噛み砕くのに、たっぷり10秒くらいは考えた。
シルナなんて、赤ペンを片手に持ったまま、呆気に取られて固まっている。
マシュリは、いろり形態から、人間形態に『変化』し直した。
だが、その眉間にはシワが寄っていた。
そして眉間にシワが寄っているのは、イレースも同じだ。
…。…嘘だろ?
「アーリヤット皇国が…無条件降伏…?」
「は、はい…」
シュニィも、声が震えている。
無理もないが。
アーリヤット皇国が…降伏した。
それはつまり、アーリヤット皇国が戦争に負けたということだ。
「そんな、まさか…。あのナツキ様が、こんなに簡単に…負けを認めるなんて…」
俺達は、戦争がもっと長引くものだと。泥沼化するものだと踏んでいた。
今は防戦一方のアーリヤット皇国だが、いつか必ず反撃に転じると。
最終的な結果は、勝つか負けるか分からないけど。
アーリヤット皇国は、まだまだ粘るはずだと…食い下がるものだと…。
少なくとも、こんなに短期間で雌雄が決するとは、思ってもみなかった。
イシュメル女王が得意げに微笑む様が、脳裏に浮かんだ。
結局、あの女王の宣言通りに。
「ってことは…アーリヤット・キルディリア戦争は、キルディリア魔王国が勝利したってことだよな?」
「そうです…。たった今、キルディリア魔王国のイシュメル女王が、正式に勝利宣言を行ったと…。聖魔騎士団に情報が入りました」
その情報を、一刻も早く、俺達のもとに知らせに来てくれたのか。
シュニィが血相を変えるわけだ。
そして、唖然としているのはシュニィだけではなく。
「…負けた…?アーリヤット皇国が…。あのナツキ皇王が…。こんなにも早く…?」
「マシュリ…」
『HOME』に所属し、この場にいる誰よりもよくナツキ様のことを知っているマシュリは。
顔を引き攣らせ、呆然と呟いた。
「有り得ない…。そんなこと、とても信じられないよ」
「私もです…。とても信じられません。ですが、本当のことなんです」
と、シュニィが答えた。
「キルディリアお得意の、寝ぼけた流言ではないのですか」
呆然としている俺達より、イレースはずっと冷静で。
腕を組んた体勢で、シュニィにそう尋ねた。
寝ぼけた流言って。
そういや、俺とシルナがキルディリア国内に閉じ込められていた時も。
イシュメル女王は勝手に、「聖賢者シルナ・エインリーがキルディリア魔王国に亡命した」と報道していたっけ。
偽情報を流して、国民を扇動するのは、イシュメル女王の十八番。
今回も、その政策の一環なのでは?
国民の士気を上げる為…。国民を一つにまとめる為に。
アーリヤット皇国に勝利した、という偽情報を流し…国民を扇動しようとしているのでは…。
…と、思ったが。
シュニィは、力なく首を横に振った。
「いいえ…。キルディリア魔王国だけではありません。アーリヤット皇国も、政府が正式に、無条件降伏の旨を国民に発表しています」
「えっ…」
アーリヤット皇国が…あの頑固なナツキ様が統べる、頑固な国が。
素直に、潔く、負けを認めた?
国民に、戦争に敗北したことを宣言した?
…まさか、そんな。
それじゃあ本当に…戦争は…。