神殺しのクロノスタシス7〜後編〜
「暇を持て余してるのは、ベリクリーデちゃよりも、むしろルイーシュだろ」
キュレムが、じろっ、と相棒のルイーシュを睨んだ。
「失礼な。俺は忙しいですよ。さっきも…そう、鏡の中の自分とジャンケン対決に忙しく…」
「ほら、めっちゃ暇じゃん」
多分一生勝てないと思うぞ。その対決。
一生あいこで終わりそう。
「そう言うキュレムさんだって、さっきまで何やってたんですか?」
「俺は…!…えーと…。…呼吸?」
「…」
聖魔騎士団の面々は、いつも、常に忙しいもんだと思ってたが。
意外とそうでもない説が浮上。
「…シュニィと無闇は?何やってたんだ?」
「えっ…。私は、部下の魔導師さんと稽古を…」
「俺は書類仕事をやっていた」
まともに仕事をしてたの、シュニィと無闇だけだったか。
この二人がいる限り、どうやら聖魔騎士団は安泰だな。
…ホッ。
「…で、俺達を呼び出したのは何の用だ?」
改めて、無闇が尋ねた。
「そうですよ。突然、忙しい我々を呼び出したんですから、きっと御大層な用事があるんでしょうね?」
「どの面下げて言ってんだ、ルイーシュ。お前は鏡ジャンケンやってただけだろ」
キュレムの冷静なツッコミは、まぁ聞かなかったことにして。
「えぇと…。実は、さっき王宮に…フユリ様のもとを訪ねたら…。フユリ様に頼み事をされて」
シルナが、しどろもどろになりながら答えた。
「頼み事?何?」
「…それは…。えっと、みんな昨今のアーリヤット皇国とキルディリア魔王国の情勢は知ってるよね?」
「まぁ…。新聞で読んだ程度には」
そりゃ良かった。
しかし、この中でただ一人、そんな世の中の情勢を知らないベリクリーデだけは。
「…??じょーせい?何かあったの?」
こてん、と首を傾げていた。
…えーと。
「お前な…。ニュース聞いてないのか?」
「ニュース?…パンダの赤ちゃんが生まれた、とか?」
「…そうじゃなくてさ…」
呆れて、天を仰ぐジュリス。
パンダの赤ちゃんか…。
そんな平和なニュースばかりだったら、俺もシルナも、こんな厄介事に頭を悩ませずに済んだだろうにな…。
「あぁ、もう良い。このアホには、俺から後で説明する。話を続けてくれ」
「う、うん。ジュリス君…」
「下らない前置きは良いから、さっさと話しなさい。私は老人の長ったらしいお喋りに付き合っているほど暇じゃないんです」
腕を組み、不機嫌そうにイライラするイレース。
抜き打ちテストの作成に忙しいんだもんな。
「そ、そうだけど。でも一応…大変なことだから、ちゃんと順序立てて丁寧な説明を、」
「あぁ、まだるっこしい。…そこの読心魔法教師」
イレースは、ナジュに向かって呼びかけた。
「…えっ?僕ですか?」
「他に誰がいるんです」
お前以外に、この場で読心魔法が使える者はいないだろ。
「あなた、どうせもう学院長の心を読んで、事情を知ってるんでしょう。簡潔に話しなさい」
「えぇー…。そんな、僕を便利な翻訳機みたいに…」
「良いから話しなさい」
「もー…。せっかちさんなんですから」
まったくだよ。
「ちょ、ちょっと待ってナジュ君。私の口から、」
シルナは、慌ててナジュを止めようとしたが。
「イレースさんのお望み通り簡潔に言いますと、この中から2名ほど、スパイとしてキルディリア魔王国に潜入して欲しいらしいですよ」
…言っちゃった。
キュレムが、じろっ、と相棒のルイーシュを睨んだ。
「失礼な。俺は忙しいですよ。さっきも…そう、鏡の中の自分とジャンケン対決に忙しく…」
「ほら、めっちゃ暇じゃん」
多分一生勝てないと思うぞ。その対決。
一生あいこで終わりそう。
「そう言うキュレムさんだって、さっきまで何やってたんですか?」
「俺は…!…えーと…。…呼吸?」
「…」
聖魔騎士団の面々は、いつも、常に忙しいもんだと思ってたが。
意外とそうでもない説が浮上。
「…シュニィと無闇は?何やってたんだ?」
「えっ…。私は、部下の魔導師さんと稽古を…」
「俺は書類仕事をやっていた」
まともに仕事をしてたの、シュニィと無闇だけだったか。
この二人がいる限り、どうやら聖魔騎士団は安泰だな。
…ホッ。
「…で、俺達を呼び出したのは何の用だ?」
改めて、無闇が尋ねた。
「そうですよ。突然、忙しい我々を呼び出したんですから、きっと御大層な用事があるんでしょうね?」
「どの面下げて言ってんだ、ルイーシュ。お前は鏡ジャンケンやってただけだろ」
キュレムの冷静なツッコミは、まぁ聞かなかったことにして。
「えぇと…。実は、さっき王宮に…フユリ様のもとを訪ねたら…。フユリ様に頼み事をされて」
シルナが、しどろもどろになりながら答えた。
「頼み事?何?」
「…それは…。えっと、みんな昨今のアーリヤット皇国とキルディリア魔王国の情勢は知ってるよね?」
「まぁ…。新聞で読んだ程度には」
そりゃ良かった。
しかし、この中でただ一人、そんな世の中の情勢を知らないベリクリーデだけは。
「…??じょーせい?何かあったの?」
こてん、と首を傾げていた。
…えーと。
「お前な…。ニュース聞いてないのか?」
「ニュース?…パンダの赤ちゃんが生まれた、とか?」
「…そうじゃなくてさ…」
呆れて、天を仰ぐジュリス。
パンダの赤ちゃんか…。
そんな平和なニュースばかりだったら、俺もシルナも、こんな厄介事に頭を悩ませずに済んだだろうにな…。
「あぁ、もう良い。このアホには、俺から後で説明する。話を続けてくれ」
「う、うん。ジュリス君…」
「下らない前置きは良いから、さっさと話しなさい。私は老人の長ったらしいお喋りに付き合っているほど暇じゃないんです」
腕を組み、不機嫌そうにイライラするイレース。
抜き打ちテストの作成に忙しいんだもんな。
「そ、そうだけど。でも一応…大変なことだから、ちゃんと順序立てて丁寧な説明を、」
「あぁ、まだるっこしい。…そこの読心魔法教師」
イレースは、ナジュに向かって呼びかけた。
「…えっ?僕ですか?」
「他に誰がいるんです」
お前以外に、この場で読心魔法が使える者はいないだろ。
「あなた、どうせもう学院長の心を読んで、事情を知ってるんでしょう。簡潔に話しなさい」
「えぇー…。そんな、僕を便利な翻訳機みたいに…」
「良いから話しなさい」
「もー…。せっかちさんなんですから」
まったくだよ。
「ちょ、ちょっと待ってナジュ君。私の口から、」
シルナは、慌ててナジュを止めようとしたが。
「イレースさんのお望み通り簡潔に言いますと、この中から2名ほど、スパイとしてキルディリア魔王国に潜入して欲しいらしいですよ」
…言っちゃった。