豹変年下オオカミ君の恋愛包囲網
「カードキーはお返ししますよ」
テーブルの上のカードキーを指先で押し戻せば、真正面から怪訝な視線が突き刺さる。
まさか、断られるとは思っていなかったのだろう。
「証拠の資料さえ手に入れば、あなたは用済みなんですよ」
「ちょっと……、待って。どういうことなの!? じゃあ、田ノ上部長の娘に言い寄られているって言っていたのも、思わせぶりな態度を取っていたのも、すべて嘘だったの!?」
「おかしな話ですね。俺は別にあなたと寄りを戻したいなんて一言も言っていない。まぁ、あの部長の娘が煩わしかったのは確かだけどね。それに、既婚者と不倫するなんて馬鹿、俺がする訳ないだろう」
「……嘘よ。私が夫と上手く行っていないって話したら慰めてくれたじゃない。俺がいるから大丈夫って。支えるって」
目の前で涙を浮かべ肩を震わす美沙江の様子にも心動かされることはない。
「ははっ、そんな陳腐な言葉に引っかかるなんて、数多の男をたぶらかして来たあなたらしくない」
「ひどい、ひどいわ。騙すなんて、ひどいわ!!」
ワッと泣き伏した美沙江の姿を見つめ、白けた気持ちが心の中に広がっていく。今や美沙江への執着とも呼べる恋心は跡形もなく消えていた。
「ひどいのは、どちらでしょうね。姑息な手段で鈴香を精神的に追い込んだあげく、ストーカーと化した元彼をけしかけたのが、あなただってことはわかっています。責任を認めて鈴香に謝罪してください」
「そ、そんなの言いがかりよ!! 勝手にあの女が自爆しただけじゃない!」
「ただ、そのきっかけをつくったのは、美沙江、あなたですよね」
黙りを決め込み、そっぽを向く美沙江の姿から反省の色は見えない。どこまでいっても、身勝手で自分本位な女の態度に怒りを通り越して呆れてしまう。しかし、このまま曖昧に話を終わらせれば、後々報復に出る可能性が残る。
心の奥底に残っていた温情ですら消えた今、遠慮はいらない。徹底的に潰すのみ。
テーブルの上のカードキーを指先で押し戻せば、真正面から怪訝な視線が突き刺さる。
まさか、断られるとは思っていなかったのだろう。
「証拠の資料さえ手に入れば、あなたは用済みなんですよ」
「ちょっと……、待って。どういうことなの!? じゃあ、田ノ上部長の娘に言い寄られているって言っていたのも、思わせぶりな態度を取っていたのも、すべて嘘だったの!?」
「おかしな話ですね。俺は別にあなたと寄りを戻したいなんて一言も言っていない。まぁ、あの部長の娘が煩わしかったのは確かだけどね。それに、既婚者と不倫するなんて馬鹿、俺がする訳ないだろう」
「……嘘よ。私が夫と上手く行っていないって話したら慰めてくれたじゃない。俺がいるから大丈夫って。支えるって」
目の前で涙を浮かべ肩を震わす美沙江の様子にも心動かされることはない。
「ははっ、そんな陳腐な言葉に引っかかるなんて、数多の男をたぶらかして来たあなたらしくない」
「ひどい、ひどいわ。騙すなんて、ひどいわ!!」
ワッと泣き伏した美沙江の姿を見つめ、白けた気持ちが心の中に広がっていく。今や美沙江への執着とも呼べる恋心は跡形もなく消えていた。
「ひどいのは、どちらでしょうね。姑息な手段で鈴香を精神的に追い込んだあげく、ストーカーと化した元彼をけしかけたのが、あなただってことはわかっています。責任を認めて鈴香に謝罪してください」
「そ、そんなの言いがかりよ!! 勝手にあの女が自爆しただけじゃない!」
「ただ、そのきっかけをつくったのは、美沙江、あなたですよね」
黙りを決め込み、そっぽを向く美沙江の姿から反省の色は見えない。どこまでいっても、身勝手で自分本位な女の態度に怒りを通り越して呆れてしまう。しかし、このまま曖昧に話を終わらせれば、後々報復に出る可能性が残る。
心の奥底に残っていた温情ですら消えた今、遠慮はいらない。徹底的に潰すのみ。