豹変年下オオカミ君の恋愛包囲網
「どうした?」
「ま、真紘さん! すみません、突然電話して。例のストーカーですが、どうやら鈴香さん、奴と待ち合わせをしているみたいです。鈴香さんの様子も何だか変で。入店した時から思いつめた様子なんです。あのストーカー相手にひとりで暴走するかもしれません。このまま様子見ますか? 俺に何か出来る事があれば」
「そのまま二人の監視、続けてくれるか? 何かあったらメールくれ。あと頼みがある......」

 優にある指示を出し、その足で店を出る。
 BARでの様子を優に報告させていると鈴香が知ったら、彼女は俺を軽蔑するだろうか?
 ある意味、俺も鈴香のストーカーだな。
 あのストーカー男が今だに彼女の心を支配しているかと思うと腹わたが煮え繰り返る。ただ、奴を追いつめる手札はそろっている。あとは、上手く立ち回るだけだ。
 鈴香がヤケを起こさないことだけを願い、レストランを後にした俺は足早にBARへと向かった。
< 103 / 109 >

この作品をシェア

pagetop