豹変年下オオカミ君の恋愛包囲網
真紘side
眠りに落ちた鈴香を腕に抱き、ベッドへと入る。まさか、あの場面で寝てしまうとは思わなかった。
規則正しい寝息を聴きつつ、苦笑が漏れる。
イジメ過ぎてしまったか……
まさか、こんなに早く応えてくれるとは思っていなかった。恋人契約を解消した後も、彼女の動向は追っていたが、嫌われている自覚しか無かった。
鈴香と仲の良い菊池先輩に恥を忍んで協力を仰いで良かった。先輩の趣味に付き合わされたのは勘弁だったが、そのお陰で彼女の窮地に駆けつける事が出来た。
先輩から伝えられた情報は、緊急性を要していた。
『鈴香の元彼がストーカー化している』
復縁を迫るメールが何通も送りつけられていると告げられた時、嫌な予感がした。
浮気を何度繰り返そうが、最後には鈴香の元へと帰って来る男の心情など分かりきっている。あの男にとって鈴香は特別な存在だったのだ。絶対に失いたくない存在であるからこそ鈴香の愛を試したくなった。その愛が失われたと理解した時、絶望と共に噴き出した狂気こそ、あのストーカー行為だったのだろう。
あと少しでも駆けつけるのが遅ければ、鈴香はあの男に暴行されズタズタにされていたかと思うと、震えが止まらない。間に合って良かったと心の底から思う。
ただ、鈴香の心の内は分からない。あの男からのメールを無視し続けていても、実際に会ってしまった今、心が動かないとも限らない。
あの男との十年が、未だに彼女の心を縛りつけているのだとしたら、鈴香は奴の元へ戻ってしまう可能性がある。
仕事振りや性格を鑑みても、鈴香は他人に流されるようなタイプではない。ただ、どうしてか男女関係になると真逆になる。押しに弱く、相手の言動に流されやすい。根はとても優しいのだ。だからこそ、あんな浮気男と十年も付き合う羽目になったのだと、彼女は気づいていない。
忌々しい男の顔が脳裏を過り、悪態がついて出る。
規則正しい寝息を聴きつつ、苦笑が漏れる。
イジメ過ぎてしまったか……
まさか、こんなに早く応えてくれるとは思っていなかった。恋人契約を解消した後も、彼女の動向は追っていたが、嫌われている自覚しか無かった。
鈴香と仲の良い菊池先輩に恥を忍んで協力を仰いで良かった。先輩の趣味に付き合わされたのは勘弁だったが、そのお陰で彼女の窮地に駆けつける事が出来た。
先輩から伝えられた情報は、緊急性を要していた。
『鈴香の元彼がストーカー化している』
復縁を迫るメールが何通も送りつけられていると告げられた時、嫌な予感がした。
浮気を何度繰り返そうが、最後には鈴香の元へと帰って来る男の心情など分かりきっている。あの男にとって鈴香は特別な存在だったのだ。絶対に失いたくない存在であるからこそ鈴香の愛を試したくなった。その愛が失われたと理解した時、絶望と共に噴き出した狂気こそ、あのストーカー行為だったのだろう。
あと少しでも駆けつけるのが遅ければ、鈴香はあの男に暴行されズタズタにされていたかと思うと、震えが止まらない。間に合って良かったと心の底から思う。
ただ、鈴香の心の内は分からない。あの男からのメールを無視し続けていても、実際に会ってしまった今、心が動かないとも限らない。
あの男との十年が、未だに彼女の心を縛りつけているのだとしたら、鈴香は奴の元へ戻ってしまう可能性がある。
仕事振りや性格を鑑みても、鈴香は他人に流されるようなタイプではない。ただ、どうしてか男女関係になると真逆になる。押しに弱く、相手の言動に流されやすい。根はとても優しいのだ。だからこそ、あんな浮気男と十年も付き合う羽目になったのだと、彼女は気づいていない。
忌々しい男の顔が脳裏を過り、悪態がついて出る。