豹変年下オオカミ君の恋愛包囲網
「それで、美沙江……、例の資料は用意してくれたの?」
「もちろんよ。私と真紘の未来のためだもの。田ノ上部長の弱味よね。ずっと昔から疑っていたけど、まさか横領しているなんて……、もうあの男もお終いね」
残忍な笑みをこぼし、美沙江がクスクスと笑う。彼女も田ノ上部長に思うところがあるのだろう。
他人の不幸は蜜の味と言ったところか、実に楽しそうに笑っている。
「じゃあ、近々、リークされるんだね」
「えぇ、内部告発としてマスコミに情報を送ったから、近々発表されるはずよ」
嬉々として渡された茶封筒を開け、中に入っていた資料にザッと目を通す。そこには、田ノ上部長の横領を決定付ける証拠と、その金がどこに送金されたかの記載もなされていた。
よくこんな裏帳簿、引っ張ってこれたよな。その点だけは美沙江をほめてやってもいい。
これで鈴香の元彼もお終いだ。田ノ上部長ともども、堕ちていくさまを想像しさらに笑みが深くなる。
「美沙江、ありがとう。これで、田ノ上部長の娘からのアプローチもなくなるよ」
「本当、親子そろってしつこいんだから。大人しく須藤課長との婚約話に乗っておけばいいのに、私の真紘に目をつけるなんて」
「あぁ、クラブで知り合っただけなのに、しつこく付きまとわれてさ。本当、助かったよ」
目の前で悪態をつく美沙江へと、笑みを浮かべて見せる。田ノ上部長の娘との出会いが、全て仕組まれていたことを美沙江は知らない。そして、目の前で上機嫌に食事を運ぶ女を陥れるための布石だということも。
「ふふ、これで私たちを引き離す障害はなくなったわ。ねぇ……、真紘。がんばった私にご褒美をちょうだい。下に部屋を取ってあるの」
妖艶な笑みを浮かべ、スッとカードキーを出す美沙江を見ても心は動かない。
鈴香と出会う前だったなら、美沙江との再会に胸が熱くなったかもしれない。しかし、今は彼女に対する嫌悪しかない。
苦い想い出が去来し、消えていく。
「もちろんよ。私と真紘の未来のためだもの。田ノ上部長の弱味よね。ずっと昔から疑っていたけど、まさか横領しているなんて……、もうあの男もお終いね」
残忍な笑みをこぼし、美沙江がクスクスと笑う。彼女も田ノ上部長に思うところがあるのだろう。
他人の不幸は蜜の味と言ったところか、実に楽しそうに笑っている。
「じゃあ、近々、リークされるんだね」
「えぇ、内部告発としてマスコミに情報を送ったから、近々発表されるはずよ」
嬉々として渡された茶封筒を開け、中に入っていた資料にザッと目を通す。そこには、田ノ上部長の横領を決定付ける証拠と、その金がどこに送金されたかの記載もなされていた。
よくこんな裏帳簿、引っ張ってこれたよな。その点だけは美沙江をほめてやってもいい。
これで鈴香の元彼もお終いだ。田ノ上部長ともども、堕ちていくさまを想像しさらに笑みが深くなる。
「美沙江、ありがとう。これで、田ノ上部長の娘からのアプローチもなくなるよ」
「本当、親子そろってしつこいんだから。大人しく須藤課長との婚約話に乗っておけばいいのに、私の真紘に目をつけるなんて」
「あぁ、クラブで知り合っただけなのに、しつこく付きまとわれてさ。本当、助かったよ」
目の前で悪態をつく美沙江へと、笑みを浮かべて見せる。田ノ上部長の娘との出会いが、全て仕組まれていたことを美沙江は知らない。そして、目の前で上機嫌に食事を運ぶ女を陥れるための布石だということも。
「ふふ、これで私たちを引き離す障害はなくなったわ。ねぇ……、真紘。がんばった私にご褒美をちょうだい。下に部屋を取ってあるの」
妖艶な笑みを浮かべ、スッとカードキーを出す美沙江を見ても心は動かない。
鈴香と出会う前だったなら、美沙江との再会に胸が熱くなったかもしれない。しかし、今は彼女に対する嫌悪しかない。
苦い想い出が去来し、消えていく。