大嫌いなパイロットとのお見合いはお断りしたはずですが
「話、聞いてました? ですからお気遣いは不要ですって」
弾かれたように腰を上げると、驚いた様子で見あげる朋也と目が合った。美空は朋也をにらみつけた。
(このひとは、ふざけた態度をあらためる気がないの?)
だったらはっきり言わないといけない。美空は声に力をこめた。
「すでにご両親からお聞きおよびかと思いますが、わたしはあのお見合い……お断りしましたよね」
お見合い、と口にする前に周囲にちらっと目を走らせて聞かれていないことを確認するのを忘れない。
美空は、お守りを返したその日に父へ断りの電話を入れた。案の定、考え直してくれと懇願されたが。
「うん、聞いたよ。けど縁談を断ったからといって、ふつうの付き合いもできないわけじゃないよね。俺は木崎さんにお礼がしたい」
「それが要らないと言ってるんです」
「なんだったらいいの?」
「はい?」
「なんだったら、木崎さんは受け取ってくれる?」
絶妙に噛み合わない。
朋也はひとの話を聞く気がないのか。それとも、美空の対人スキルが低すぎるのか。
信じられない思いでまじまじと朋也を見下ろすと、朋也がふっと口元をほころばせる。
初めて見る笑みだった。
しかしその意味がわからず、美空は首をかしげた。
「あのお守りは弟がくれたんだ」
「弟さん……ですか。おいくつですか?」
「都内で大学生してる。お守りは俺が型式限定を取得したときだったから、四年前かな」
急な話題の転換に毒気を抜かれた美空に、朋也がジャケットを取りあげて空いた場所に座るよう示す。さっきより朋也との距離が近い。
少しだけためらったが、話の風向きが変わったこともあり、美空はおとなしく腰を下ろした。
「大事になさってるんですね」
「うん、木崎さんが拾ってくれて助かった。だからひとまず、お礼の件は保留にしよう。木崎さんが、俺にしてほしいこと。考えついたら連絡して」
保留?
弾かれたように腰を上げると、驚いた様子で見あげる朋也と目が合った。美空は朋也をにらみつけた。
(このひとは、ふざけた態度をあらためる気がないの?)
だったらはっきり言わないといけない。美空は声に力をこめた。
「すでにご両親からお聞きおよびかと思いますが、わたしはあのお見合い……お断りしましたよね」
お見合い、と口にする前に周囲にちらっと目を走らせて聞かれていないことを確認するのを忘れない。
美空は、お守りを返したその日に父へ断りの電話を入れた。案の定、考え直してくれと懇願されたが。
「うん、聞いたよ。けど縁談を断ったからといって、ふつうの付き合いもできないわけじゃないよね。俺は木崎さんにお礼がしたい」
「それが要らないと言ってるんです」
「なんだったらいいの?」
「はい?」
「なんだったら、木崎さんは受け取ってくれる?」
絶妙に噛み合わない。
朋也はひとの話を聞く気がないのか。それとも、美空の対人スキルが低すぎるのか。
信じられない思いでまじまじと朋也を見下ろすと、朋也がふっと口元をほころばせる。
初めて見る笑みだった。
しかしその意味がわからず、美空は首をかしげた。
「あのお守りは弟がくれたんだ」
「弟さん……ですか。おいくつですか?」
「都内で大学生してる。お守りは俺が型式限定を取得したときだったから、四年前かな」
急な話題の転換に毒気を抜かれた美空に、朋也がジャケットを取りあげて空いた場所に座るよう示す。さっきより朋也との距離が近い。
少しだけためらったが、話の風向きが変わったこともあり、美空はおとなしく腰を下ろした。
「大事になさってるんですね」
「うん、木崎さんが拾ってくれて助かった。だからひとまず、お礼の件は保留にしよう。木崎さんが、俺にしてほしいこと。考えついたら連絡して」
保留?