大嫌いなパイロットとのお見合いはお断りしたはずですが
返ってきたとしても、朋也がミットを構えた場所とは別の方向に投げられてしまう。そのたびに、朋也は受け止めようとしてあちこちに走らされるのだ。
(その変則的なボールを追いかけるのが楽しい……なんて思う俺も、どうかしてるけど)
とはいえ朋也は初めのころこそ余裕ぶっていたが、そんな余裕はもろくも失われていった。
きっかけは、オペセンのエレベーター前で美空と親しげに話す男を見たことだった。
その男は、エレベーターの中でも朋也を牽制してきた。
気づかないわけがない。
その男――瀧上とは、オペセンのロビーでもすれ違った。会釈した俺に対して、瀧上は敵意をむき出しにしてきたのだ。
『木崎にこれ以上つきまとわないでくれ』
表面上は受け流したが、朋也の心中は穏やかでいられなかった。
きわめつけが美空自身から突きつけられた、連絡するなというひと言。
自分でも驚くほど動揺した。美空にはすでに瀧上がいるのかと思うと、手に負えないほど尖った感情も心の内で暴れた。
しかし恋人がいるなら、踏みこまずに引き返すのが賢いやりかただろう。あのとき朋也は意思の力を総動員させて、自分をそう納得させたのだ。
――にもかかわらず。
美空から、直接話したいから時間をくれと言われれば、応じない選択肢などあり得なかった。
そんなわけで美空に振り回されるがまま、朋也は連絡を取ろうとしたのだが。
「着拒の意味を教えてくれ……」
(その変則的なボールを追いかけるのが楽しい……なんて思う俺も、どうかしてるけど)
とはいえ朋也は初めのころこそ余裕ぶっていたが、そんな余裕はもろくも失われていった。
きっかけは、オペセンのエレベーター前で美空と親しげに話す男を見たことだった。
その男は、エレベーターの中でも朋也を牽制してきた。
気づかないわけがない。
その男――瀧上とは、オペセンのロビーでもすれ違った。会釈した俺に対して、瀧上は敵意をむき出しにしてきたのだ。
『木崎にこれ以上つきまとわないでくれ』
表面上は受け流したが、朋也の心中は穏やかでいられなかった。
きわめつけが美空自身から突きつけられた、連絡するなというひと言。
自分でも驚くほど動揺した。美空にはすでに瀧上がいるのかと思うと、手に負えないほど尖った感情も心の内で暴れた。
しかし恋人がいるなら、踏みこまずに引き返すのが賢いやりかただろう。あのとき朋也は意思の力を総動員させて、自分をそう納得させたのだ。
――にもかかわらず。
美空から、直接話したいから時間をくれと言われれば、応じない選択肢などあり得なかった。
そんなわけで美空に振り回されるがまま、朋也は連絡を取ろうとしたのだが。
「着拒の意味を教えてくれ……」