もう一度 恋をするなら
「私の味方だよね⁉ 無視するの感じ悪いって言ったら、燈子ちゃんそうだねって言ってた!」
「え、う、んん」
「自慢ばかりの内容に何言えばいいかわかんないよねって言ったら頷いてたじゃん!」
「そ、そう、だけど」
それぞれに愚痴られた時に、確かにそう言ったし頷いた。無視されるのは嫌だろうな、と思ったから。でも何か理由があるのかもしれないし、直接話してみたらと言ったのに。もう一方の子には、自慢話多いよねーって同意を求められて確かに頷いた。でも「羨ましいとこもあるよ」って私は正直な感想を言った。
だけど私のその対応は、所詮その場しのぎであって実際には解決に至らずこの状況になった。
――責め立てられるのにはお母さんで慣れてるはずなのに。
教室の真ん中での出来事で、クラス皆の視線が私に集まっていた。金切り声で頭の中が麻痺したように動かなくて、上手く言葉が出てこない。代わりに汗ばっかり出てきて、視界がチカチカしていた。
「別にいいでしょ、自慢くらいしたって。だってうれしいことあったら報告したくなるし」
そう言って涙を滲ませ始めた友達。男子生徒のひとりが、慰めるように彼女の肩に手を置いて慰める。その子の彼氏で、デートの出来事なんかをSNSに上げていて、それが自慢だと言われていた。
男の子が、キツイ目で私を睨んでくる。
「今井さんってさ、八方美人だよね」
その言葉が、一斉にクラス全体へ伝染していった。あちこちで「確かにそうかも」とか同調する意見が囁かれる。
もう言葉どころか声も出せなくなって、涙が零れそうになって目にギュッと力を籠める。
みんなが言う通りかもしれない。確かに、どちらにも良い顔をした。でも、相手のことを責めるよりも、一歩引いて相手のことを考えて欲しかった。いや、単純に、喧嘩しているところを見たくなかった。