もう一度 恋をするなら
 パーティーが終わって、みんな紙袋に入った引出物を手に端のテーブルから順に出口へと向かう。
 その時になって、また緊張が思い出された私はそわそわと弓木くんの方を見る。席が近いから、自然と隣に立って順番を待つことになっていた。
 店の出口が見えてくると、淡いオレンジのカクテルドレスを来た莉子が旦那さんと並んでひとりひとりゲストに声をかけている。
 私たちの番が近付いて、莉子が並んでいる私たちを見るとほんのりと温かい笑顔を浮かべた。

「莉子……」

 なんで教えてくれなかったの、という意味を込めて名前を呼ぶと彼女は眉尻を下げて困ったような表情になる。

「ごめん。でも良いサプライズだったでしょ?」
「そうだけど。ほんとにびっくりしたよ」

「ごめんてば。というか、実は私も弓木くんと彼が友達だって知ったの、ちょっと前くらいなのよ」
「そんなことってあるの?」

 弓木くんを見れば、彼は新郎と話している。 
 どういうことかと聞きたいけれど、長く時間をとるわけにもいかないので、名残惜しむように莉子から離れた。

「素敵なパーティーだった。招待してくれてありがとう」
「こちらこそ。来てくれてありがとう。またね、新婚旅行から戻ったらお土産渡したいから会おうね!」

 その時に改めて話そう、ということだろう。私は頷いて莉子に手を振った。

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